健康診断の結果を聞きに来たのだ。
待合室の隅に子供用のスペースが設置されている。
三畳程の小さな部屋である。
靴を脱いで上がる小部屋で、中には絵本や簡単なおもち
ゃが置いてある。
私は、そのスペースの入口付近の椅子に座ってた。
二人の幼児を連れた母親が、子供をスペースに上がらせ
た。
患者は子供なのか、それとも母親なのか?
子供は元気があり、いろいろと喋ったりしている。
子供は熱があっても大騒ぎしたりするので、ちょっと見ただ
けではわからない。
子供もここが医院だと理解しているようで、特に大声を出し
たりはしない。
だが、子供は子供である。
何かやったらしい。
母親が叱り始めた。
「だぁからぁ、言ってんじゃん。わかんないの?ねぇ?」
うわぁ、ヤンキー口調だ。
母親の今の見た目は普通の若い母親風である。
昔はヤンキーだったのだろうか
でもなぁ、子供を叱る時にヤンキー口調は良くないなぁ。
子供は、そういう口調で言葉を覚えてしまう。
こういう場合、どうすれば良いのだろう?
口出しをすれば「余計なお世話!」と拒絶されるかもしれない。
いろいろ考えた末、私は何もしなかった。
そのうち私の名前が呼ばれ私は診察室に向かった。