不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

特定検診に行った。その⑥

 医師は私の方を向くとシャツを上げるように言った。
 体前面に聴診器を当て、向きを変えさせ背面にも
当てた。
 医師は思っていた以上に若かった。
 年齢はわからない。
 おそらく40代だろう。
 この医院はこの医師で何代目かになる。
 だが、お坊ちゃん風にはなっていない。
 「特に異常はないようですね」
 医師は静かに言った。
 あれ?
 血圧を2度も計ったことには触れないのか?
 私はそう思った。
 だが、黙っていた。
 まぁ、いいか。
 悪ければ悪い、と言われるだろう。
 あとで調べると血圧は日によってもかなり数値が
違うそうだ。
 へぇ~そうなのか。
 私は常にほぼ一定なのだと思っていた。
 検診は終わった。
 私は診察室を出た。
 付き添っていた看護士が私に声をかけてきた。
 「結果がこちらに届くまで一カ月くらいかかります
ので、またその時にこちらから電話します」
 一カ月か。
 その頃には忘れていそうだな。
 私はスリッパから靴に履き替え医院のドアを押し
外へ出た。
 私は自転車に乗り、次の目的地へ向かった。
 弱めの風が気持ちよかった。