ミック・ジャガーが、そのヴォーカル・スタイルにお
いて手本にしたのは、ドン・コヴェイというヴォーカリ
ストだった。
コヴェイは1938年生まれの米国のソウル・ヴォー
カリスト、ソング・ライターである。
1956年にドゥーワップ・グループのザ・レインボウ
ズの一員としてレコードデビューしている。
43年生まれのジャガーは年齢で5歳下、ヴォーカ
リストとしてのキャリアは7年下となる。
ジャガーが影響を受け大いに参考としたであろう
年代である。
録音を聴いてみる。
おぉ、そっくりではないか!
この歌いまわしは、まさしくミック・ジャガーである。
ジャガーは、この歌唱法を取り入れた。
単なる真似ではない。
完全に消化したのだ。
それまでの普通の歌い方を完全に捨て去った。
それ以降は一度も普通の歌い方をしたことはない。
ジャガーは自らの個性として自分のものとしてしま
った。
そうか、やはりオリジナルがあったのか。
これで長年の疑問のひとつが解けた。
それにしても、ストーンズは学習能力が高いなぁ。