用事のために自転車で家を出た。
晴天である。
春らしい陽気に戻りつつある。
当地名物の風も吹いていていない。
今日行くのは隣町である。
当町内連合会から見て西北に位置する。
市内を南北に走る大通りを境としている。
私はこの町には殆ど行かない。
用事がほとんど無いのだ。
この町に前回行ったのはいつのことだろうか?
少なくとも6~7年は行っていない。
その時も行ったと言っても通りすぎただけである。
自転車を走らせ大通りを渡る。
それだけだが、ちょっと風景が変わったような気が
する。
この町には小学校の時にクラスメートの家に遊びに
行って以来である。
たった一度だけ、それだけである。
そのため懐かしいという気にもならない。
新しい町を訪れたような気分である。
隣り合っていても、そんなものである。
これが疎遠というものなのか。
用事先に着いた。
用事は早々に済ませることができた。
そしてこの町にはまた来月来ることになった。
(忘れないようにしなければ)そう思いながらその町
を後にした。