用事のついでにスーパーに寄った。
当市の中心部にあり、いつも私が利用しているス
ーパーではない。
日曜日なのでお客も多いようだ。
子供が店内を走り回っている。
鬼ごっこをしているようだ。
商品棚の陰に身を潜め、様子を見て駆け出してし
ている。
店内は冷房が効いてるので、遊び回るのには最
適なのだろう。
この日走っていた子供たちは、過去に叱られた経
験でもあるのか、他のお客の近くまで来ると減速し、
ぶつからないように気をつけているようだった。
私は目当ての品をかごに入れレジに並んだ。
私の前のお客さんは、子供のようだ。
身長145㎝くらいの小さな女の子だ。
前を向いており顔が見えない。
髪はおかっぱで襟足が刈り上げられている。
サザエさんのワカメちゃんのようだ。
小学校ではこういう髪形が流行っているのか。
着ている服もなかなかおしゃれである。
半袖のTシャツに8分袖の重ね着である。
全体を黒でまとめ、グレーとピンク色のアクセントが
所々に入っている。
レジかごには沢山の食料品が入っている。
(へぇ~、こんな小さいのにお使いができるんだ。えら
いなぁ)
その女の子の会計の番になった。
女の子がレジの方を向いた。
あれ?!
女の子ではない!
その人は、50代後半くらいの女性だった。
ひょっとしたら60代かもしれない。
日に焼けた日本猿のような顔である。
道理で小学生にしては凝った出で立ちなわけだ。
だが、髪はピカピカで年齢よりもずっと若い。
髪だけみたらどう見ても10代である。
それにしても後ろ姿だけとはいえ、大幅に若く見せ
る技能を身につけているこの女性、恐るべしである。
勝手に想像して決めつけていたこちらが全面的に悪い。
私は女性を見る目がないのである。