朝の７時台にお店に買い物に来るのは、実に
久しぶりである。
ショッピングモールが、こんな時間から営業して
いるとは、ちょっと驚きである。
私は、一階の食品フロアーに入った。
ギフト、お土産品は、ここの一角にある。
まずは、今日のお買い得品を見て回る。
私はお値打ち品が大好きなので、チェックせず
にはいられないのだ。
上白糖と味付け海苔が安いな。
ついでに買っておこう。
私はそれらをかごに入れた。
それから私はギフト・コーナーへ行った。
あれ？
店員さんがいない。
レジや包装台に布がかかっている。
まだ、出勤していないのか？
お店の人がいないければ、気兼ねもなく、ゆっくり
と品選びができる。
この時期はお盆・帰省ギフト様に売り場も少し拡
大されているようだ。
なるほど、当地のお土産品といえば、こんな感じ
か。
市内で製造された正真正銘のご当地ものもいく
つかある。
だが、それはごく一部で、県内の品が大半である。
中には当地から1時間半以上もかかる県庁所在
地の品もある。
まぁ、それでも遠くへ持っていく場合には十分当地
のお土産ということになるのだろう。
だが、県内ならまだ良い。
当地と隣接する県の有名お菓子も置いてあるでは
ないか。
県を超えていては、マズいのではないのか。
全国的に知られた品なので、これもＯＫなのか。
埼玉や千葉の人から東京土産を頂くような感じには
なりはしないか？
否、そんな細かいことまで考える人などいないか。
いろいろ考えた末、当県内の製麺メーカーのそうめん
セットに決めた。
いくら有名でも隣県の品をわざわざ持っていくのは、
少し躊躇われたからである。
品物が決まったので、買おうと思い店内を見渡す。
お客の他は、お店の人はあまりいない。
野菜や魚などの生鮮食品のコーナーには、開店準備
で商品陳列をしている人もいるが、それ以外には人は
いない。
どうしよう。
店内をグルグル回ってお店の人を探す。
それでも、見つからない。
私は野菜のコーナーで商品出しをしている人に声を
かけてみた。
その人は「少々お待ちください」と言って駆け出して
行った。
2分ほどするとその人は戻ってきて、こう言った。
「申し訳ありませんが、このコーナーは8時半にならな
いと係の者が出てこないもの・・・」
そうか、がっくり。
まぁ、そりゃそうだろう。
朝の７時台から進物品を買おうと来店するお客なん
て、そうはいないのだろう。
となると、一旦帰って出直すか。
それも面倒だな。
となると、待つしかない。
私はギフト・コーナーのカウンターに置かれている椅
子に座って待つことにした。
店内を見渡してみると、この時間帯にもかかわらず
お客はいる。
レジも2つだけだが開いていて、列ができている。
しかし、ギフトを買おうというお客は私だけである。
やはり私はイレギュラーな存在のようだ。
カウンターの上に置いてあるチラシやパンフレットを
手にとり、読んでみる。
当地の文化サークルなどが記事になって載っている。
皆さん、いろいろとやっておられるなぁ。
私が知らないだけで、当地でも各種の活動が進行中
のようだ。
そうしているうちに、8時15分過ぎにお店の人がやっ
て来た。
「お待たせしていたようで申し訳ありませんでした」
どうやらこの人がギフト担当の人のようだ。
いつも通りの時刻に出勤してきたら、お客が座って
待っているので少し驚いたかもしれない。
私は早速そうめんセットを注文した。
そして、係の人がラッピングをしている間に他の買い
物の支払いのためにレジに並んだ。
レジから戻ってくると、包装は終わっていた。
私は熨斗紙の確認をし支払いをして品物を受けとった。
私はその品を手にショッピングモールを出た。
結局私はこの店に1時間以上いたことになる。
これで、手土産の品は確保した。
後は何かいるものはあるだろうか。
私は他には特に思いつかなかった。
私は、我が家に自転車を走らせた。
～続く～
