役員たちが帰ってくるまでは待機するしかない。
この状況なら明日に延期なるだろう、それが常
識だ、そんな空気になっていた。
難しい判断ではなかろう。
大風が吹くか吹かないかは5分5分ではない。
台風並みに風が吹くことはまず間違いないこと
だった。
私たちは待つしかなかった。
私は周囲の家や庭を眺めたり、停めてあるクル
マを見ることにした。
皆さん、きっちり手入れをされているなぁ。
雑草など一本もない。
おや、このクルマは珍しいな。
どこのかな?
ニッサンか、洒落たスタイリングだな。
幾らぐらいするのかな?
そんなことをしながら時間を過ごしていた。
それにも飽き始めた頃に、やっと役員は戻ってき
た。
腕時計を見る。
20分も経っている。
そんなにかかることか?
役員たちは皆の前に横に並んだ。
そしてそのうちの一人が口を開いた。
その言葉は場の空気を一変させた。
~続く~