不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

お祭りの準備に行ってきた。その⑤

 役員は着くとすぐにこう言った。
「予定通り幟を立てます」
 えぇ~、やるの?
 こんな天気だよ。
 口には出さずとも皆がそう思っているようだっ
た。
 役員の一人がこう付け加えた。
「クレーン車が明日は来れないもんだから」
 クレーン車の都合で幟立てを強行するのか!?
 大風が来るとわかっているのに、何だこの指示
は。
 役員が行って帰って来るまでに20分近くかかっ
ていたということは、運営本部でそれなりの議論
があったものと思われる。
 当町内会役員は、中止を求めたに違いない。
 それが皆の総意だったからだ。
 だが、役員はそれとは逆の指示を持って帰って
来た。
 運営本部に言いくるめられたのか?
 それとも圧力をかけられたのか?
 町内会と運営本部の力関係は同等ではない。
 運営本部の方が圧倒的に強い。
 そんなバカな、と思われるかもしれない。
 しかし、当地のお祭りの組織の起源は江戸時代
初期にある。
 その当時は平等とか民主的といった概念はない。
 上のものの指示には無条件に服従する、封建主
義なのである。
 当地ではその気風が伝統と共に受け継がれてし
まっているのだ。
 私はこれは実にナンセンスなことだと捉えている。
 それでも、リーダーである役員の指示には従わな
ければならない。
 それが組織というものだ。
 ここで一人で反乱を起こしても、誰も付いてきては
くれないだろう。
 孤立すればただの見せ物となる。
 仕方なく作業にとりかかることにした。
 はじめに屋形の設置に向かう。
 今日は中止と決め込んでいたので、足取りも少し
重かった。
 
 ~続く~