不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

お祭りの準備に行ってきた。その⑥

 屋形の次は幟立てである。
 本当にやるのか?
 皆さん、現場へ歩いていく。
 大風が数時間後には来ることがわかりきっている
のに、何故立てるのか?
 これには、お祭り特有の愚かな集団心理が働い
ているようだ。
 蛮勇気取りである。
「台風並の天候だろうと俺たちには関係ない。いつ
も通りやるぜ」といったところであろう。
 大雨にずぶ濡れになり大風に吹かれながらもお
祭り行事を遂行する。
 傘も差さず、合羽も着ない。
 行事の中止などとんでもない。
 何があっても予定通りに行う。
 これが、どうやらカッコいいことになっているらしい。
 ワイルドさへの自己陶酔である。
 お祭りなので集団行動である。
 一団となってワイルドさに酔うことは快感であり、
この心理傾向は一層強化される。
 集団熱狂、お祭りバブルである。
 ネットでもそうした姿勢を称賛する声がツイッター
どに幾つも上がっている。
 当地の祭りには特にそういう気風が伝統的に受け
継がれている。
「大雨でもいつも通り→さすが○○祭り」である。
 あぁ、理解できない。
 馬鹿じゃないのか。
 私はこういうことが昔から大嫌いである。
 愚行にしか思えない。
「やっぱり、マズいんじゃないの?」
 作業にとりかかる前、年配の男性がそう役員に問
いかけた。
 これは皆が思っていることだろう。
「クレーン車が明日は来てくれないもんで」
 役員の答えはこれだけだった。
 何とも低レベルの説明である。
 それとも判断基準がその一点だけなのだろうか?
 よく考えた末の結論なのだろうか?
 だとしたら、かなりお粗末な頭脳である。
 だが、役員の指示なら仕方ない。
 私たちは例年通り幟を立てた。
 
 ~続く~