幟立てのクレーン車は既に待機していた。
このクレーン車の都合で今日立てる、というのが
強行の理由となっている。
おそらく、明日は日曜日で会社が休業日でクレー
ンの操縦者も休みなのだろう。
そのようなことなら会社に掛け合えば、何とかなり
そうなものである。
地元の会社なので少しくらいの融通は利きそうで
ある。
割り増し料金を払ったとしても、幟が破損すれば
それどころでは済まない。
だが、役員たちはそういう交渉をしようとは一切す
る様子もなかった。
思いつかなかったのか、運営本部に言われたまま
で何も考えていなかったのか。
幟は例年の通り立てられた。
作業は10時半頃には終わった。
この頃は曇ってはいたが雨は降っておらず、風もな
かった。
そして12時過ぎに雨が降り始めた。
夕方には大降りとなった。
風もその頃には強く吹きだした。
予報通りである。
わかりきったことだった。
これで、幟がなんともなければ良いのだが、どうだ
ろう。
破れれば何十万円である。
夜には風も雨も台風並みになった。
上陸・直撃クラスではないが、台風の破壊力と同じ
くらいの雨と風である。
幟はどうだろう。
見に行きたいが暗くてよく見えそうもないし、台風並
の風と雨である。
翌朝まで待つしかなかろう。
～続く～
