皆でぞろぞろと徒歩で移動する。
現場では、クレーン車が待っていた。
クレーン車には作業員が二人乗っている。
そのうちの1人が棒の途中まで登って、ロープを巻き
付ける。
もうひとりがクレーンを操作する。
これらの支払いは町内会の経費から出される。
昔は、クレーン車など無く、幟を立てるのも倒すのも大
変だったそうだ。
作業員ふたりだけで幟の設置並びに撤収ができればよ
いのだが、そうはいかない。
基本は人数勝負の人力である。
町内の各戸から一人ずつの作業参加が要請されている。
私も本当はサボりたいところを我慢して参加している。
棒を倒すまでに少し時間がかかった。
幟を立てた町内のもう一つのグループが、幟の棒を石製
の設置台にカチカチに締め付けたようだ。
善意で解釈すれば(万一、倒れないようにキツめに締めて
おいた)ということだろう。
ひょっとするとそうでもないのかもしれない。
幟を倒すのは自分たちではないので、力の加減をしなかっ
たのかもしれない。
実はもう一つのグループとは、いろいろあるのだ。
記し始めると長くなるので、ここでは省くがなかなかエグい
エピソードが沢山残されている。
まぁ、疑心暗鬼に陥っても仕方ない。
ここは善意に解釈することにしよう。
クレーンで吊った幟をゆっくりと倒していく。
皆でそれを受けとめ、支えとして使われる折りたたみ椅子の上に置く。
この作業をもう一本の幟で繰り返す。
~続く~