少し緊迫する場面もあったが、揉め事になることもなか
った。
爆弾を不発に終わらせる対処の仕方を実地で見学する
ことが出来た。
自分が直接関わっていないので呑気なものだが、自分
も当事者の一人だったらどうなるだろうか?
大人の対応をとりたいが、果たしてどうなるであろうか。
会場の後片付けは、執行部役員たちがする。
片付けが終わると、執行部役員の多くは二次会に行く。
この二次会が楽しみで執行部の役員を引き受けている
人も何人もいるらしい。
近所の人と飲みに行くというのは楽しいそうだ。
そういう楽しみがないと執行部役員はやってられない、
ということのようだ。
私も以前から誘われてはいるが、アルコールを飲まない、
飲めない人間なので断っている。
このような近所での飲み会では、いろいろな情報が交換
されているそうだ。
女性たちの井戸端会議に相当する機能を果たしている
ようだ。
もっとも、それらの情報の精度に関しては疑わしいものが
ある。
だが、その不確かな情報も何度も繰り返し伝達されていく
うちに真実なってしまうことがある。
困ったことではあるが、それが娑婆というところの特性な
のだろう。
私は会場から出た。
外の冷たい空気に酔いが冷めた。
帰り道は風に吹かれて少し寒かった。