不二家憩希のブログ

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ドナルド・バード氏、ご逝去。その②

 ドナルド・バードは、高校在学中にライオネル・
ハンプトンと共演している。
 大スターであるハンプトンとの共演が許されると
は大変なものである。
 バードは早熟の名手だったのだ。
 1955年、23歳で初リーダー盤を発表している。
 その後多くのミュージシャンと共演しハード・バッ
プ・ジャズの草創期の重要人物の一人となってい
った。
 当時のバードはクリフォード・ブラウン、リー・モー
ガンと並ぶ若手のトップ奏者と目されていた。
 ジャズ史上最高峰のテクニックの持ち主であるブ
ラウン、モーガンと同列に評されていたとは、少々
驚きである。
 バードにはそれだけ勢いがあったということなのだ
ろう。
 バードはトランペットの聞かせ所である超高音を連
発することもない。
 早いパッセージを吹きまくるということもない。
 暖かい音色で決して吹き過ぎるということがない。
 センスあるアドリブ・フレーズを自在に生み出してい
く。
 アドリブ旋律の見事さはモダンジャズ・トランペッタ
ーでも屈指のものがあると思う。
 私がファンということもあるのだろうが、バードのアド
リブは聴いていて飽きることがない。
 アドリブだけ抜き出しても一曲として成立すると思う。
 バードは最高のジャズ・トランペッターである。
 
 ドナルド・バードの名盤・”バード・イン・フライト”から
”レックス”(作曲 ドナルド・バード
 ドナルド・バード トランペット
 ハンク・モブレー テナー・サックス
 ダグ・ワトキンス  ベース
 レックス・ハンフリーズ ドラム
 録音・発表 1960年