ピーター・フォークは、1961年度のアカデミー助
演男優賞にノミネートされた。
フォークがアカデミー賞候補になるのは、これで
2度目である。
この年1961年は、”ニュールンベルグ裁判””ウ
ど、名作・傑作が数多く公開された年だった。
だが、惜しくも受賞には至らなかった。
受賞したのは”ウエストサイド物語”のジョージ・
チャキリスだった。
一世を風靡しブームを起こしたこの映画の勢いが、
受賞を後押ししたものと思われる。
チャキリス、面白い苗字である。
私はこの名前を聞くと、どうしても新茶の茶畑で男
が茶を摘んでいる様子を思い浮かべてしまう。
”茶切りす”である。
さて、翌年の1962年のフォークの最初のテレビ・ド
ラマは1月9日放送の”The New Breed"だった。
このドラマはロスアンゼルスを舞台としたポリス・
アクションで、白黒の60分ドラマである。
ニュー・ブリード=”新しい種族”とは、ロス市警察
が新たに組織した高い機動力と科学捜査力を備え
た精鋭部隊の名称で、 ドラマは彼らの活躍を描い
ていく。
このドラマの主演は、レスリー・ニールセンだった。
レスリー・ニールセンと言えば”裸の銃を持つ男”
などでお馴染みの人気コメディ俳優である。
となると、このドラマも喜劇調なのか?と思われる
かもしれないが、そうではない。
普通の警察ドラマなのである。
ニールセンは元々はシリアスな演技をこなす2枚目
俳優だった。
そう言えば、ニールセンはハンサムで背も高く、かつ
て2枚目俳優であったとしても不思議ではない。
ニールセンに転機が訪れたのは1980年で演じた
喜劇映画が好評を博し、1988年の”裸の銃を持つ男”
の大ヒット以降は完全にコメディに転じたのだ。
フォークが出演した回は”Cross the Little Line ”
で、麻薬組織摘発のために捜査員がヘロインの密売
人装い潜入捜査をする、というものである。
このドラマは、日本でも1962年に今のテレビ朝日で
放送されているので、ご覧になっておられた方もおら
れるかもしれない。
ちなみに、ニールセンは後に刑事コロンボにも出演
しフォークと共演している。
この当時は完全に2枚目俳優である。
フォークの出演シーンは無いが、ニールセンの
2枚目ぶりがよくわかる映像なので貼っておく。
面白俳優になってからは、別人のようである。
コロンボ出演時は、まだ2枚目路線だった。
~続く~