不二家憩希のブログ

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ピーター・フォーク氏ご逝去に寄せて その29

 1959年のピーター・フォークのもう1本のテレ
ビドラマは”Play of the weekプレイ・オブ・ザ・
ウィーク"だった。
 これも、”完全一話完結・非連続”ドラマ枠で
ある。
 この”プレイ・オブ・ザ・ウィークは、低予算の
番組ではあったが極めて質の高さで評判を得
ていた。
 内容も毎週異なっており、普通のドラマから
コメディ、ミュージカル、ファンタジー、ミステリー
と多岐にわたっていた。
 シェークスピアイプセンといった古典から近
代の名作からテネシー・ウィリアムス、ユージン・
オニール、ガルシア・ロルカ、グレアム・グリー
ンといった現代の劇作家の作品を取り上げている。
 サミュエル・ベケットの”ゴドーを待ちながら”と
いった不条理劇も放送された。
 この劇は普通に観ても、何が何だかわからない
作品で、観客に思考と想像を要求する。
 気軽にテレビの前で観るというような劇ではない。
 したがって、とてもテレビ向きとは言えない。
 ”ゴドーを待ちながら”をテレビドラマ枠で放送す
るとは、芸術志向も強い番組だったことが伺われる。
(野の百合)、スチュアート・バージ(ジュリアス・シ
ーザー、オセロ)ら後に映画の名作を手がける監督
たちが担当している。
 当時の米国の監督は、はじめにテレビで実績を
積み名を売り、後に映画を手がけるというケースが
多かったようだ。
 俳優も真に演技力のある舞台俳優や新進俳優を
起用した。
 その中にはロバート・レッドフォード、ロバート・ロッ
ジア、昨日も記事にしたジェームズ・ブロデリック、ら
がいた。
 フォークは、1959年11月19日放送の”The Power
 and the Glory権力と栄光”に出演している。
 この作品はグレアム・グリーンの原作でメキシコ革
命に巻き込まれた人々を描いている。
 フォークはメスティーソというメキシコの混血農民の
役だった。
 ちなみにこの作品は1961年にローレンス・オリビエ
主演でもドラマ化されている。
 フォークがメキシコ人役というのは、かなりはまって
いたのではなかろうか。
 
 ~続く~