家から出かける準備をしていて腕時計をつけ
る。
ふと文字盤を見ると、針が止まっているでは
ないか。
竜頭を捻ってみたりするが動かない。
あぁ~、こんな時に止まるとは。
さてどうしよう。
この日の最初の用事は時間が切られている
ので、このまま家を出ていくしかない。
それなら、今まで使ったことのない腕時計に
電池を入れて使ってみることにしよう。
私はその腕時計をして家を出た。
その後何とか、その用事も済んだ。
さて、電池を入れなければならない。
その腕時計というのは、伯父の遺品である。
伯父の遺品といっても特に大したものではな
い。
ごく普通のセイコーのクオーツ時計である。
なぜ我が家に伯父の遺品があるのだろうか。
そもそもこの腕時計は父の遺品を整理した時
に発見されたものである。
父が形見分けの際に譲ってもらってきたのだろ
うか。
父もこの腕時計については何も言っていなか
ったので事情は分からない。
ただ私は今までセイコー社製の腕時計をした
ことがない。
それでこの機会にセイコー腕時計を体験して
みようと思ったのだ。
私は時計店に向かった。
~続く~