カシオ計算機は、高度な技術力を持つ会社として
知られている。
その技術力とアイディアにより、中東において人気
を博している商品がある。
メッカの方角を指し示す腕時計である。
ボタンを押すと秒針がメッカの方角を指す。
北ではなく、メッカに特化している。
これは熱心なイスラム教徒には嬉しい機能のでは
なかろうか。
このほかにもお祈りの時間を知らせる機能やイスラ
ム暦で日付表示をする機能もついている。
イスラム教のお祈りは一日5回である。
その度にメッカに向かって平伏す。
このお祈りの時間は、毎日同じというわけではない
そうだ。
太陽の位置が基準となり、場所や季節によって変わ
ってくる。
非回教徒の私たちには理解しがたいことではあるが、
そういうことになっているらしい。
時間算出方法は10通りある。
それらすべてに対応し、世界70都市がプリセットされ
ている。
これだけの機能があって、中東での現地価格は日本
円で5000円から7000円である。
う~ん、安い。
これまたカシオらしい。
特別な付加価値があるから有無を言わせず高くする、
ということを決してしない。
最高の機能を持たせながら、価格はお手頃にというの
がカシオ流であろうか。
これは中東でも同じようである。
買い求めやすい価格設定は、世界共通方針なのだろ
うか。
ぼったくりから世界一遠い企業のひとつと言えよう。
年間数万個売れればヒットとされる腕時計市場で、こ
の腕時計は40万個も売れたそうだ。
さすがカシオである。