不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

赤い羽根募金の季節。

 自転車でゆっくり走っていると、ある玄関先で
女性が何かを持ってその家の方と話しているの
が見えた。
 話の様子は和やかで笑いながら何かを話して
いる。
 玄関先の女性が手に持っているのは赤い羽根
の募金である。
 そうか、もうそんな時期になるのか。
 ここは、その年度の班長さんが一軒一軒回って
いるのか。
 ちなみに、ここでの班とは10軒ほどを一つの班
としてくくったものである。
 ひょっとしたら班長さんではなく、町内の役員さ
んかもしれない。
 どちらにしろ、募金のために戸別訪問しているの
だ。
 これは結構な手間だと思う。
 それに寄付という性格上、いろいろと文句を言う
人がいたりする。
 集める方も年度の持ち回りでやっているだけなの
で、文句を言われてもカチンとくるだけである。
 当町内では、そうした余計な軋轢を生まないように、
町内会費にあらかじめ赤い羽根募金を組み込んで
しまっている。
 そうすれば募金に回る手間が省けるからだ。
 こうした手法には地域によっては「募金の強制徴収
だ!」との声が出そうなものである。
 だが、当町内会では、そんな声は一度も聞いたこと
は無い。
 陰口でも無い。
 おそらく皆さん募金集めが面倒なので、どうせ寄付
するなら効率的な方が良い、と思っているに違いない。
 
 私が見かけた募金集めをしておられた方は、楽しそ
うな感じで話をしておられた。
 募金集めがコミュニケーションのきっかけになってい
るのだろう。
 本当はそうして集めた方が良いに決まっている。
 だが、残念ながらそうもいかないのもこの世である。
 
 私は二人の笑い声を背にそのお宅の前をゆっくりと
走り去った。