不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

転入者と欲張りな班長。

 昨年行われた町内会役員会で、こんなことがあった。
 この役員会では参加者は予め指定された席に着くこと
になっている。
 テーブルの上に班の番号が記された名札プレートが置
いてあるのだ。
 私の隣席つまり隣の班の班長は30歳前後位の母親で
子供を連れてきていた。
 着席する際「すみませ~ん」と声をかけてきたのだが態
度は横柄だっだ。
 会は進み質疑応答の時間となった。
 隣の班の班長が挙手し発言した。
 「今3軒の家が新築されているんですけれど、班の区割
りを見直してうちの班に編入して欲しいんですけれど」
 「うちの班はお年寄りの世帯が多くて、町内の役をやる
人が限られているんで」
 普通の口調だが押しの強いニュアンスでいっぱいだった。
 班の区割りは絶対不変ではないが、基本的に固定され
ている。
 余程のことがない限り変更されることはない。
 そうしたことを知ってか知らずか班長は強く会長に迫った。
 「検討はしてみますが」
 会長はそう答えた。
 班長は食い下がり区割り変更の言質を取ろうとする。
 会長側は即答はできない。
 それに不満な班長は同様の要請を再度発言する、
 同様の応答が繰り返される。
 会長は長年のビジネスの場で活躍してこられてきた人で、
卒のないソフトな物腰ながら、妥協や安請け合いのたぐいの
発言は一切しない。
 この3軒の新築は、町内のあるお宅の一族によるものだっ
た。
 どういう経緯からか3軒同時に建設が始まったのだ。
 そのうち1軒は明らかに当班の中にある。
 発言中の班長は、その1軒も「自分の班に欲しい」と言って
いる。
 欲張り過ぎる。
 大きな声で強く押し出せば意見が通ると思っていそうである。
 世間にはたまにこういう人がいるものだ。
 ここは私も何か発言しておいたほうが良いのか?
 迷ったが、私は黙っていた。
 その班長は言って聞くような人ではなさそうだったからだ。
 結論は会長一任と言う形で会はお開きとなた。
 そして結局Hさんのお宅は、当班所属となった。
 実にめでたい気分である。