家にいたらお隣のKさんが来られた。
「はい、これだけど」
そう言ってKさんは私に一枚の茶封筒を渡
した。
護国神社の寄付か。
そうか、もうそんな時期になるのか。
昨年、私が班長だった時のことを思い出し
た。
私も今年のKさんと同じように各戸を回って
寄付を集めたのだ。
その際には少なからず気も使った。
こういう宗教関係の寄付は、なかなか微妙
なものだからだ。
何故町内に鎮座しているわけでもない神社
の寄付を町内会を通じて行うのか?というごく
基本的な疑問もある。
信仰の自由に反するではないか、という意
見もごもっともである。
だが、そうしたことは今のところはあまり突き
詰めないことにしておく。
実はそんなことは百も承知なのである。
私も護国神社の信者というわけでもない。
に政治色を少しでも見せ始めたら、私たちも態
度を改めることだろう。
その時には寄付をお断りすることになる。
宗教が政治と手を組むと、ろくなことにならな
いからだ。
私は寄付金を入れてKさんに渡した。
それから、最近起こったいろいろなことを話し
た。