町内会の委任状を集めて回った。その⑦

　次に伺ったのはＳＡさんである。
　こちらは３年前ほどに引っ越して来られた
若い夫婦のお宅である。
　応対に出られたのは旦那さんで、Ｔシャツ
姿だった。
　この寒いのにＴシャツとはかなりの薄着で
ある。
　あるいは、暖房を強くしておられるのかも
しれない。
　簡単に説明しただけで用紙への記入、捺印
を頂けた。
　次はＴＳさん宅である。
　ＴＳさんは数ヶ月前の県護国神社への５０
円の寄付を断った方である。
　当ブログ内だけのこととは言え、一回寄付
を拒んだだけで、こういう形容で紹介されて
いるとはお気の毒である。
　今回の訪問は、用紙への氏名他の記入と認
印だけで集金は無い。
　そのため、こちらとしても気楽である。
　ドアを開けると、２人の小さな子供が玄関
の板の間に座って携帯ゲーム機で遊んでいる。
　２人とも４～５歳ほどである。
　子供のおじいさんに当たるＴＳさんが出て
こられた。
　ＴＳさんは子供達に「ほら、挨拶をしなさ
い」とも言わない。
　私は用件を話すと了解され用紙を受け取り
奥へ引っ込まれた。
　このお宅は３家族同居の大家族である。
　普通の大きさの敷地にある三階建ての家に
３家族が住んでいる。
　玄関には私と子供達だけになった。
　子供達はゲーム機を見つめ、小刻みに指先
を動かしている。
　私の存在に気が付いていないのか、それと
も無視しているのか。
　こちらを見ようともしない。
　ＴＳさんが記入、捺印を終えた用紙を持っ
て戻って来られた。
　私は用紙を受け取り、挨拶をして家を出た。
　その間も子供達はゲームをしていた。

　～続く～