町内会の役員会に出た。その⑤

　私は何とか役員会をサボる方法を考えてみ
た。
　だが、やはりそんなことをして後で真相が
ばれてしまった時の打撃の大きさを考えると、
あきらめた方が正解だと思い直した。
　せっかくここまで真面目にやってきたのに、
Ｍ１でけちが付いてもつまらない、というこ
ともある。
　私は開始時刻の１０分前に会場である公民
館に着くように家を出た。
　と言っても、家から公民館は歩いて５分ほ
どしかない。
　通りを歩いて行く。
　日もすっかり落ち、真っ暗になっていたが、
風がなかったせいか、思っていたほど寒くは
なかった。
　公民館に着くと、町内会の幹部の皆さんは
既に着席しておられた。
　他の役員の方も半分は来られている。
　席には「○○班・班長」とプレートが置い
てある。
　私は自分の席を探して座った。
　席に着くと、幹部の方がお茶を入れてくれ
た。
　それから、他の役員の方も来られ、１～２
分で席は埋まった。
　しかし、開始の時刻になっても、２名の来
ていない班長がいる。
　区長さんは、携帯電話で呼び出しをかける。
　会場に集まった皆が聞き耳を立てている。
　やはり、これをやられると、休めない。
　それからすぐに、呼び出された班長も到着
した。
　それからまもなく役員会は始まった。
　今回の議題は、来年の区長の推薦について、
である。

　～続く～