班長慰労会に出席した。その⑲

　宴会場ではいろいろな話し声が行き交っている。
「私はね、インターネットをやっているから何でも知っているのよ！」と大きな話し声が聞こえる。
　見るとはその発言主は７０歳位の女性である。
　その口調は断固としたものだった。
　どうやら最近インターネット始めたようだ。
　ネットをしているからと言って、何でも知っていると錯覚してしまうとは、お気の毒である。
　人間７０代になったからと言って、見識が出来上がるわけではないようだ。
　その他にも、皆さんいろいろ話しておられる。
　私は食事に夢中である。
　すると、今年度の区長さんがお酌がてらに挨拶に来られた。
　私はグラスで受けねぎらいの言葉を述べた。
　区長さんもほっとしおられるようだ。
　区長の年は、万が一の時のために遠出も出来ず、行動にも拘束もあったはずだが、それももう終わりである。
　次には今年度の区長さんも来られた。
　これまたお酌付きである。
「いやぁ～、何か知らないけれど区長を受けちゃってねぇ～」と明るく話しておられる。
　私のように班長の任務だけでも精一杯の人間がいるかと思えば、あっさりその場のノリで区長を引き受けるような人もいるのか。
　私から見れば凄いとしか言いようが無い。
　そして、そんな方は有難い存在である。
　また、そんな方がおられるから町内会もうまく回っているのだろう。
　
　～続く～