不二家憩希のブログ

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町内会の役員会に出た。その⑥

 役員会は定刻の7時を1分過ぎて始まった。
 区長は型通りの挨拶の後、直近の行事予定
について説明した。
 その説明の最中に2名の班長が遅刻して到
着した。
 説明の後、区長は本題である来年の区長推
薦について話題は移った。
「来年の区長候補についてですが、どなたか
かご推薦いただけますか?」
 区長は、そう言うと皆の顔を見渡した。
 皆さん何故か視線を斜め下に落としている。
 公民館は静まり返っていた。
 20秒ほどの沈黙の後、区長はこう言った。
「それでは、町内会幹部に一任ということで
よろしいですか?」
 その言葉を聴くと、皆は、揃って頷いた。
 皆の様子を見て区長はこう言った。
「では、そういうことで、来年度の区長は幹
部にお任せいただくということで決定しまし
た」
 あれぇ~?
 各班から候補者を推薦して発表するんじゃ
ないのか?
 ひょっとして、最初からこういう段取りに
なっているのか?
 どうやらそうらしい。
 何だ、こりゃ?
 これは、班長を集めて会議を開き、区長候
補を町内全体から募った、勝手に幹部が決定
したわけではない、ということを形式的に承
認させているだけなようである。
 私は、今年が初めての班長で、こうした会
には初めての出席である。
 そのため、こうしたお約束については、無
知である。
 だが、私はこうした手法について、反発を
しているわけではない。
 これはこれで、やり難いことをスムーズに
いかせる有効な手段なのかもしれない。
 
 ~続く~