列車が遅れた理由。

　ＣＤの買出しに県庁所在地に行くことにし
た。
　朝７時４５分、最寄の駅に着き、ホームで
列車を待つ。
　ホームは風除けになるものが何もない。
　後で調べてみたら、この時刻の気温は７℃
だった。
　寒い。
　体が寒さに未だに慣れていないので、この
気温でも応える。
　列車が来るまでの我慢である。
　だが、定刻になっても列車は来ない。
　すると、案内放送が流れた。
「○○駅付近で事故があり、列車は遅れてお
ります。お急ぎのところ申し訳ございません」
　何、遅れているだって？
　私は遠方に出かける時には、最寄駅からの
往路の出発時刻と復路の時刻を予め決めてお
く。
　そうしないと、ズルズルと行動が流れてし
まうからだ。

　遅れているのか。仕方ないな。
　だが、朝の時間帯の１０分は、昼間の３０
分に相当すると思う。
　これでは予定がずれ込んでしまう。
　
　予定時刻を５分経っても列車は来ない。
　寒さは和らぐことなく、体は冷えていく。
　
　それから、５分経っても列車は来ない。
　あ～、これでは乗り換え予定の列車に間に
合わない。
　となると、その次の列車になってしまう。
　これで１５分は遅れることになる。
　予定は遅れる、寒い、と今日は朝からつい
ていないな。
　
　列車は結局１５分遅れで到着した。
　やれやれ、凍えるところだった。

　その後は列車は順調に運行された。

　後でわかったのだが、列車が遅れた理由は、
当駅から１時間ほど離れた山里の駅付近でイ
ノシシが列車に激突したためだったそうだ。
　イノシシのせいだったのか。
　イノシシが電車にぶつかるなんて、このあ
たりでは聞いたことがない。
　まぁイノシシなら仕方ない。
　その激突イノシシはどうしたのか。
　しし鍋にでもしたのだろうか？