CDを買いに行った。その①

　目的地の駅に降りると私はすぐにＣＤショ
ップに向かった。
　いつものように公園沿いの通りを歩くこと
にした。
　街路樹が紅葉している。
　私の住んでいる市では、紅葉する街路樹は
１本もないので、この風景は新鮮である。
　歩道に落ちた枯葉を箒で集めている方とす
れ違う。
　二つの神社と公園を通り過ぎると、目当て
のＣＤショップが入っているビルが見えてき
た。
　時刻は１０時前だ。
　開店に間に合った。

　私の地元にもＣＤショップはいくつもある。
　ツタヤは数店舗あるし、市内にある二つの
書店ではＣＤも扱っている。
　ショッピングモールにもＣＤショップはあ
る。
　隣の市にも地元資本のＣＤショップチェー
ン店がある。
　だが、それらの店では私には少々退屈なの
だ。
　私が主に買うクラシックやジャズは、店の
片隅に追いやられ、品揃えもあまり良くない。
「○○レーベル・ベスト１００」といったシ
リーズしか置いていないことも多い。
　勿論注文すれば手に入るのだが、それだっ
たらインターネットで注文した方が手っ取り
早い。
　私としては、よく知らない盤を手にとって
買ってみたいのだ。
　ここタ○ーレコードは、そんな私のわがま
まも十分満たしてくれる。
　渋谷のメガストアほどではないが、それで
も近県では最大級の品揃えである。
　私は早速、盤を見て回った。

　～続く～