不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

台風18号直撃の夜 その①

 今回は連載を中断して昨日の台風18号に
ついて記すことにする。

 この18号台風は過去10年間で最大の強
さだ、と報道されていた。
 だが、その割りに台風が近付くまでは、特
に風が吹くということも無かった。
 これまでの強い台風は、列島に近付く前日
くらいから台風の上陸を予告するかのように
台風風(たいふうかぜ)が吹いていたのに今
回はそれが無かったのだ。
 それで私は「ニュースとかでは強いと言っ
ているけれど、これでは大したこと無いな」
と思っていた。
 人間、自分に都合のよいように物事を捉え
るものである。
 昨日も、風が吹き出したのは10時過ぎだ
ったと思う。
 予報では当地の最接近が未明から明け方と
いうことだったので、この風の吹き始めは異
例の遅さである。
 私は風の吹き始めも遅いことだし、この台
風はそれほどでもないな」と思って布団に入
った。
 だが、私のそんなのん気な読みは外れるこ
ととなった。
 深夜11時半、私は強い風の音で目が覚め
た。
 あまりの風の強さに家も揺れている。
 ラジオをつけると、まもなく当地に上陸す
る恐れがあるそうだ。
 台風が当地を直撃である。
 予想天気図では、当地を直撃しそうなこと
はわかっていた。
 しかし、人間、嫌な予測には簡単には受け
入れないものである。
 私は「きっとそれるだろう」と根拠の無い
楽観論を自分の中で組み立てていた。
 それから2時間後、台風は予報通り、当地
を直撃した。
 風の音がうるさくて眠れない。
 NHKラジオをつけて聞いてみる。
 ラジオを聞けば少しは気休めにはなる。
 この台風は強烈だ。
 家が飛ばされそうなほど強く吹いてくる。
 屋根が飛ばされたら困るなぁ。とか考えて
しまう。
 昼間は楽観的だったのに、今ではすっかり
沈んでいる。
 枕元でポトポト音がする。
 何だラジオの雑音か?と思ってチューニン
グを合わせてみる。
 それでも音は止まらない。
 もしや、と思い電気をつけると何と雨漏り
をしているではないか!
 雨漏り!
 私は一発で目が覚めた。
 私は食器棚から小さな小鉢を持ってきて雨
漏りを受けた。
 何かドリフみたいだな、と思った。
 我が家でこのような本格的な雨漏りは初め
てである。
 このままどんどん降り続けたら、どうしよ
う?
 ラーメンどんぶりを持って来たほうが良か
ったかな?
 それ以降は寝てはいられないので、着替え
て起きていた。
 見るとサッシのレールに雨水が溜まって、
そこから水が溢れている。
 雨がほぼ真横に打ち付けているからだ。
 外ではガタン、バタンと音がする。
 何かが飛んでいるようだ。
 こういう時は気を落ち着かせて、と思い顔
を洗い髭を剃った。

 ~続く~