不二家憩希のブログ

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「ルパン三世vs名探偵コナン」~映像化に対する原作者の対応。

 映画やテレビドラマなどでは、オリジナル
作品以外に漫画や小説を原作とした作品も多
い。
 一定以上のヒットを記録した漫画や小説を
元に映像化するという手法は、以前からよく
行われてきた。
 それらの、原作の作者達は大体3種類に分
けられるようだ。
 ①原作に忠実な映像化を望み、細かい点ま
でスタッフに指示を与えるタイプ
 ②少しは作業にタッチはするが、殆どは任
せるタイプ
 ③殆ど何も言わない放任タイプ
 この中で映像スタッフにとって厄介なのは
①のタイプである。
 こういうタイプの原作者は、簡単に映像化
の許可もしないし、許可後もいろいろと口出
しをしてくるので作業がやり辛い。
 原作に忠実な作品作りを要求し、セリフの
変更も認めなかったりする。
 2次元メディアである漫画や小説と映画な
どの映像作品とは自ずから異なることも多い
ので、多少の譲歩も必要なのだが、このタイ
プの原作者にはそのような配慮もない。
 原作至上主義でその権威を振るわれては、
映像スタッフもやり難くて仕方ない。
 映像スタッフの創造性を縛り上げては良い
作品が作れるわけが無い。
 こうした①のような原作者の作品は、映像
化しても面白いものには仕上がらないもので
ある。
 それにあまりうるさい原作者の作品だとス
タッフが映像化に二の足を踏んでしまい、原
作の旬を逃してしまったり、そもそも映像化
されなかったりする。

 ②のタイプの原作者は元々映像作品の製作
に強い興味を持っているために、製作現場に
出入りしたりする。
 だが、原作者があまり口出ししても良い結
果を招かない、ということを理解しているの
で、一定の節度を守ってアドバイスなどを行
うようだ。

 ③のタイプは「原作と映像作品とは別物」
という考えの人で、映像作品は映像のプロに
任せたほうが良い、と考えているようだ。
 こういう原作者の場合は、映像化現場も作
業がしやすいそうだ。
 映像化が成功するのは、②や③のタイプの
原作者であることが多い。

 今回の「ルパン三世vs名探偵コナン」の場
合、ルパン三世のモンキーパンチ氏は③のタ
イプ、名探偵コナン青山剛昌氏は②のタイ
プである。
ルパン三世vs名探偵コナン」が、あのよう
に素晴らしい作品となったのは、原作者の対
応にもあるように思う。