不二家憩希のブログ

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トヨタの社長が創業家に戻ってトヨタは復活するのか?

 トヨタの次期社長に豊田家の豊田章男氏が
就任することが発表された。
 トヨタとしては、創業家の人間をトップに
据えることでグループ内の結束を図ることを
狙っているようである。
 私はこの人事は失敗に終わると思っている。
 トヨタでは経営トップを創業家の血を引く
人に任せれば求心力が生まれ、金融危機から
発生した直近の経営危機も乗り越えることが
出来る、と考えているようだ。
 まるで江戸時代並みの発想である。
 私はこれは実に甘く幻想に満ちた考えだと
思う。
 現在のトヨタは1950年代に起きた倒産の危
機を経験した社員達が築き上げてきたもので
あり、その当時の社員達の多くは退職してし
まっている。
 現在のトヨタは、かつてのたくましさを持
ったトヨタではないのだ。
 トヨタの首脳陣は、つい最近まで我が社は
世界のトップを取ったと豪語していた。
 そんな弛緩した神経を持った経営者が、予
期しなかった経営危機を乗り越えることなど
出来るとは思えない。
 これは一般社員も同様である。
 一度世界のトップにいると思い込んでしま
った集団が、危機を脱することは不可能に近
い。
 多くの企業が倒産の最初の兆しを見せるの
は、過去最高益、もしくは最高の売り上げを
記録した時からである。
 会社全体が緩むのは、まさにこの時なので
ある。
 一度緩んだ会社を御曹司が立て直せると考
えているのだろうか。
 そんな魔法の力が創業家にあると思ってい
るのだろうか。

 トヨタは一度見てしまった世界一の夢を未
だに見続けているのかもしれない。