不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

キラー・コワルスキー氏、ご逝去。

 プロレスラーのキラー・コワルスキー氏が、
8月30日に亡くなった。
 81歳だった。
 コワルスキー氏は、現役選手時代に対戦相
手の耳の一部をプロレスの技でそぎ落として
しまったことで知られている。
 この耳そぎによってコワルスキー氏は全米
にその名をとどろかせることになった。 
 リング上の事故を宣伝に利用してしまうの
がプロレスというジャンルなのである。
 何しろ、リングネームが「キラー」・コワ
ルスキーである。
 当時の東西冷戦時代に、コワルスキーとい
うロシア丸出しのリングネームを名乗ること
だけでも十分刺激的だった。
 他のジャンルでは、○○スキーや○○ビッ
チといったロシア風の名を西欧風の名前に変
えることも普通に行われていた時代である。
 その上、「キラー」・コワルスキーである。
 訳せば「殺人者コワルスキー」である。
 リングネームには迫力があった方が良いと
は言え、殺人者を名乗るとは凄まじい。
 そして付けられた異名が、「殺人鬼」「殺
人狂」「死神」だった。
 まるでホラー映画のようだが、実際のコワ
ルスキー氏の容貌もその名に負けないほど怖
い顔をしていた。
 その上身長が2㍍もあった。
 正統派レスリングもこなす技量も備えてい
た。
 大男で顔も怖いし名前も怖い。
 格闘家としての能力も高かった。
 悪役レスラーとして全米のみならず日本で
も人気が高かった。
 
 私は、テレビで引退後プロレスラー養成学
校を経営していたコワルスキー氏を観たこと
がある。
 やはり、顔は怖かった。
 さっき2~3人殺してきました、という顔
だった。
 
 その養成学校からは、現在の全米のトップ
レスラーが何人も送り出されている。
 その道の親方としても一流だった。

 比較的短命な人が多いプロレスラーの中で、
81歳まで生きたコワルスキー氏は、菜食主義
者だったそうだ。
 殺人鬼が菜食主義者だったとは、ちょっと
意外で笑える。
 素顔は、繊細で他人に気を使う人柄だった
そうだ。

 やはり、人は見かけによらないようだ。