不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

林家三平は「昭和の爆笑王」ではなかった。

 落語家の林家三平は、生前の一時期はテレ
ビを中心として人気者であったが、それほど
大物と言うわけではなかった。
 60年代を中心に多くの人気番組の司会など
で活躍したが70年代の初頭あたりから人気は
降下していった。
 その人気は実質10年といったところである。
 しかし、今や林家三平は「昭和の爆笑王」
とマスメディアでは称されている。
 だが、三平が生前「昭和の爆笑王」などと
呼ばれたことは一度も無い。
「昭和」が付かない「爆笑王」と呼ばれたこ
とすらない。
 三平は70年代に入り彼の芸に飽きてきた観
衆からは苦笑に近い笑いしか取れなくなって
いたのだ。
 今、三平を回顧する番組などで紹介される
三平の姿は彼が特に笑いを取っていた時の映
像や音声である。
 当時をご存じない人がそれらを観て、彼が
生前、爆笑王と称された、と紹介されても違
和感が無いかもしれないが、実際にはそうで
はなかったのだ。
「昭和の爆笑王」とは三平が亡くなってから、
どこかのメディア関係者が言い出したことだ。
 それを皆が安易に使っているだけである。
 10年あまりをテレビ界のトップに居ただけ
の落語家を「昭和の爆笑王」と形容して平気
なのであるから、彼等のセンスも相当いい加
減なものなのだろう。
 これも死後崇拝のひとつである。