不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

美空ひばりの復権。

 ここ数日書いていた有名人の死後崇拝とは
多少状況が異なるが、美空ひばりも死後に復
権した一人である。
 美空ひばりは生前、指定暴力団山口組
田岡組長と公私共に深い交際があった。
 歌手としてのマネージメントを田岡組長の
関係者が行っていて、その興行を取り仕切っ
ていたのだ。
 マスメディアもかつては見て見ぬふりをし
ていたのだが、70年代の中頃からマスメディ
アも度々報じるようになり、世間の大きな批
判を浴びることになった。
 そのため美空ひばりは晩年の約10年間は、
各地の市民会館など殆どの公共施設から締め
出されてしまった。
 芸能界のトップの座にいた美空ひばりでも
会場を使用できないとなるとどうしようもな
い。
 活動エリアは大都市に限定されていった。
 ひばりが、出演できるのは大都市の民間経
営の劇場だけになってしまったからだ。
 美空ひばりの晩年は自業自得とはいえ、歌
手としては寂しいもののだった。
 だが、ひばりが亡くなると、ひばりは徐々
復権していった。
 ひばりの人生はテレビドラマ化されたり、
特集番組が度々組まれるようになった。
 しかし、その中でひばりが晩年、各地での
公演活動が殆ど出来なかったことに触れられ
ることはまず無い。
 ひばりの晩年の病気を詳細に語ることによ
り、ひばりの不幸を集約した構成になってい
る。
 世間は美空ひばりを許したのだろうか。
 もう亡くなったのだから水に流したのだろ
うか。