不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

生前ソロとしてジョン・レノンはスターだったのか?

 ジョン・レノンは生前は、ソロミュージシ
ャンとしては、それほど人気が無かった。
 LPも大して売れてはいなかった。
 元ビートルズの一員なのでレコード店には
レノンの分類板もあり、それなりの在庫はあ
ったものの、売れ行きはそれほどでもなかっ
たようだ。
 活動を停止している、という情報すら当時
は無かった。
 アルバムが出ないなぁ、と言う声すら出て
いなかったように思える。
 レノンは75年から80年の間は主夫業とやら
で活動をやめていた、ということがよく知ら
れているが、当時はそんな認識すらなかった
のだ。
 5年間の活動停止は、レノンがニューアルバ
ムのダブル・ファンタジーの発表にあわせた
一連のインタビューでレノンが語ったことに
より明らかになったことで、当時はレノンが
活動していないことは誰も気にしてはいなか
ったのだ。
 当時を知らない方からすると、休んでいる
レノンを世間が見守っている、気にしている、
という空気があったかのように思われるかも
しれないが、そんな雰囲気も無かった。
 ご存知の通り、70年代はロック・ポップス
の黄金時代で大ヒット曲、大ヒットアルバム
が毎週出ていた時代で、ジョン・レノン一人
が新譜を出さなくとも誰も気がつかなかった
のだ。
 これらのことは、ちょっと信じられないこ
とのように思われるかもしれないが、事実だ
から仕方が無い。
 時代の空気と言うのは何とも説明しにくい
ものではある。
 その空気の一端を示す数字として、当時の
新曲「スターティング・オーバー」のチャー
トアクションを載せてみる。
 Top40初登場:1980年11月1日
Top40内推移:38位→32位→10位→9位→8位
→6位→4位→3位→1位→年末休→1位→1位→
1位→2位→6位→7位→13位→16位→38位
1位獲得:1980年12月27日(5週)

 初登場38位なんて大スターの出す数字では
ない。
 その後も、もたもたしていてヒットする兆
しは無かった。
 当時はそんなものなのであるが、今ではそ
んなことは誰も語ろうとはしない。
 ジョン・レノンに対する死後崇拝が定着し
てしまっているからだ。
 そして遡及的にレノンの人物と作品に対す
る修正が行われていくのである。
 本当はそれほどでもなかった、ということ
は知っておいても良いと思うのだが、世間は
そうでも無いようだ。
 皆さん夢を見たがっているようである。