不二家憩希のブログ

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エンジニア・ロジャー・ニコルス氏、ご逝去。その⑨

 ロシア史上初のデジタル録音は、ロジャー・
ニコルスの手によるジョン・デンバーのライブ録
音であるが、この録音には実はもう一つ大きな
エピソードが隠されている。
 かつてソ連では、欧米のポップミュージックを
禁じられていた。
 公演は無論、レコード盤の流通、販売も禁じ
られていた。
 今ではちょっと信じられないようなことだが、
当時はそれが普通だった。
 ソ連共産党は頭が固かったのだ。
 だがソ連人民の海外旅行が禁じられていたわけ
でもないので、それらの音楽に接することは出来た。
 そして秘密裏に手に入れたレコード盤を不正に複
製し、闇で流通させたりもしていた。
 これらの行為は不正ではあったが、国が禁じてい
るとなれば、そうでもしなければ聴くことができなか
ったのである。
 そのため表向きは、欧米のポップミュージックは
禁止されてはいても、実際には、それなりに知られ
ていたのだ。
 そんなソ連ペレストロイカにより、徐々に各種の
禁制が取り消されていくことになる。
 そして、ソ連史上初のポップミュージシャンのライ
ブとして、ビリー・ジョエルがステージに立ったのだ
った。
 ジョエルは熱狂を持って迎えられ、公演は大成功
に終わった。
 これは歴史的なトピックとして広く報じられた。
 だが実は、ビリー・ジョエル以前に、あるポップス
ターがソ連で演奏活動を行っていたのだ。
 それがジョン・デンバーだった。
 そこには時代を感じさせるエピソードが残されてい
る。
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 モスクワでのジョン・デンバー
~続く~