夜、何かが家の中で飛んでいる。
「ブーン」という強めの羽音だ。
ハチではないな。
ハチなら大騒ぎになるところだ。
蛾か?
違うな。
私は立ち上がり、羽音の元を見る。
カナブンだ。
へぇ~、久しぶりだ。
このあたりでカナブンを見ることは、殆どない。
もっとも、私が見ていないだけで、いるのかもしれないが。
珍しい対面であったが、このまま家の中にいてくれても困る。
強制退出処分にする。
私は、要らない紙を持ってきて、棒状に折りたたむ。
それでカナブンを撃ち落とそうという段取りである。
カナブンは、すぐに撃墜された。
床に落ちたカナブンを、その紙で包んで掴む。
そして、窓に持っていき、そこから放す。
よしこれで、一件落着である。
その時、気がついた。
あぁ、私はカナブンすら手掴みに出来なくなったのか。
子供の頃は、平気で手で捕まえていたものだ。
行き過ぎた衛生観念が、そうさせたのか?
いずれにせよ、これは退化である。
次回は。手掴みにしたいと思う。
色々と課題が多い私の日常である(笑)