今週のお題「ゾッとした話」
ゾッとした話といえば、当ブログではおなじみのNZさんとの会話に尽きる。
NZさんは、二人の息子さんがとても優秀で、長男は旧財閥系企業の常務、次男は旧帝大系の大学准教授で、会う度にそれを自慢している。
NZさん当人は、かなり進んだ認知症である。
だが、当人には、その病識はゼロである。
いつも元気ハツラツとしていて、口調や態度も勢いがある。
「人と会って話をするのが、とても楽しい」とのことである。
何も知らなければ、認知症とは気が付かない人が殆どだろう。
ご自分が人と会う度に息子さんの自慢話をしているということを忘れてしまっている。
私はNZさんと交流を持つようになって1年以上になるが、未だに年齢を尋ねられる。
名前も何十回と名乗っているのに、覚えてもらえない。
プロレスの新弟子のような扱いである(笑)
5~6分前に自分が話した内容を忘れてしまっている。
万事この調子である。
だが、病識が無く会う時は、いつも元気一杯である。
これは、恐ろしいことである。
私は毎回ゾッとしている。
人間は記憶の束である。
記憶があって、はじめて人間として成立している。
その記憶が少しずつ削がれていっている。
これは、恐ろしいことだ。
そして、いずれ人間ではなくなってしまう。
当ブログでは、その進行状況をブログ記事として随時掲載している。