NZさんは、昨年まで自分でクルマを運転していた。
高齢ドライバーの一人だった。
だが、何らかのアクシデントがあり、「息子にクルマも免許証も取り上げられた」そうである。
認知症に起因することであることはハッキリしている。
集いのメンバーは、そのアクシデントの詳細をご存知かも知れないが、私は知らない。
どんなアクシデントだったのか?
それについてNZさんは、私には語らない。
息子さんの自慢話は何度でもできるのに、自分のアクシデントについては口を閉ざす。
恥ずかしい、体裁が悪いという感覚は残っているようだ。
一方で、こんな話をしてくれた。
「ちょっと失敗しちゃって、300万円くらい失くしちゃった」とのことである。
私は深入りすると面倒そうなので「あぁ、そうでしたか」と答えるにとどめておいた。
特殊詐欺のようなものにかかってしまったようである。
NZさんは、日常生活を自立して行える程度ではあるが、大きなミスをし損失を抱える懸念が大きい状態にあるようだ。
そんな母親を一人暮らしさせておいて、ふたりの息子さんはどう考えているのだろうか?
彼らを責めるつもりはないが、何とかすべきではなかろうか?
大きなトラブルが発生し、取り返しがつかないようなことになりはしないか?
何かの事件後、多くの人は「私達に相談してくれれば良かったのに」と語る。
NZさんの場合、今がまさに、相談すべき時期であろう。
それなのに放ったらかしである。
世の出世街道の先頭を行っているような息子さんたちではあるが、その点は疎いのか?
NZさん当人も、特に問題意識を持っていないようである。
それだったら、他人の私が何か口出しすることは憚られる。
おそらく、同様のケースは日本中で、いくらでも起きていることであろう。
新型コロナワクチン接種以降、認知症の進行速度が増しているように感じる。
難しく悩ましい問題である。