「世の終わりとは、どういう状況になるのか?」
私は子供の頃から、このことについて考えてきた。
ここで言う世の終わりとは、地球そのものが存続できなくなる、ということではない。
世界における主たる構成要素である人間が、無数に亡くなる事態を想定している。
一方で私は、そうした世の終わりを考えつつも、(でも自分が生きているうちには、そんなことにはならないだろうな)と思っていた。
それほどまでの史上類を見ないような大変動は、私には関係無いと思っていた。
これは特に根拠があってそう思っていたわけではない。
ただボンヤリとそう思っていたのだ。
そして現実はどうなっているだろうか?
今、まさに世の終わりが始まっている。
2019年12月31日の中国からの謎の感染症の発生の第一報を聞いた時、私はすぐに「これはいよいよ世の終わりが来たのか」と思った。
謎の感染症は、新型コロナウイルスと名付けられ、今日も感染を繰り返している。
しかし、その翌々日の元旦からの初詣の際には、入場制限など特に注意事項も無く、普通に初詣の行事が行われた。
いつも通りの平和な正月だった。
今では考えられないが、何の規制も無い正月だった。
その時点では、海を隔てた中国大陸での出来事であり、感染症が日本に入って来ることはないだろうと思われていた。
仮に万が一入ってくるにしても、当分先の話だろうと誰もが考えていた。
だが、1月16日には日本国内初の感染者が神奈川県で発見された。
武漢からの帰国者だった。
動きは想定以上に急だった。
2月5日には、大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の乗客乗員のうち10人から新型コロナウイルスの感染が確認された。
ここから日本も新型コロナパニックに陥っていった。
そして、今日まで続いている。