腕時計の電池の入れ替えのため時計屋さんに向かう。
私はいくつかある時計を交代で電池を入れ替えて使っている。
私にとって時計は一つで良いのだが、たまたま貰ったので保持しているだけである。
今回持っていく腕時計は、その中でもう何年も電池の入れ替えをしていないものだ。
以前入れ替えたのが何年前なのか、はっきりと覚えていない。
逆算すると最短でも16年は経っていることは明白である。
他の時計をローテーションで使い、その時計はローテーションから外れていたのだ。
これだけ空白期間が長いと電池が液漏れをしていないだろうか?
今回は電池入れ替えが800円という店に持っていくことにした。
他の店は1000円なので20%引きである。
いつも利用していた店は1000円である。
私は200円の差額につられその店を選んだのだった。
店に着いて腕時計を渡す。
その若い店主は蓋を開けてこう言った。
「液が漏れてますね。少しだったら何とかなるかもしれませんが、これだけ漏れていると駄目です」
あぁ、やっぱりそうか。
懸念はしていたが、実際にその通りになるとそこそこショックである。
それにしても言い方が冷たいな。
なにか小馬鹿にされたニュアンスを感じる。
私はここでカチンと来た。
怒りではなくムッとしたのだ。
私は時計を受け取り店を出た。
さて、どうするか?
一度家に帰って時計を持って出直すか?
また日を改めるか?
~続く~