私はこの煎餅を頂いたことがある。
東京土産の品だった。
当時は未だ激辛ブームが来る前だった。
「辛いから気をつけて食べてね」と言われた。
だが、私は(まぁそう言っも大したことはないだろう)と高をくくっていた。
一口食べる。
辛い!
何だ、これは?!
「だから『辛い』って言ったでしょ(笑)」
その辛さは私にとって未体験ゾーンにあった。
煎餅=お菓子=楽しく美味しく食べる、という私が持っていた図式からは大きく外れていた。
不味いというのではない。
ただただ辛い。
味の判定が出来かねる辛さなのだ。
(どうしてこんな煎餅を作っているのか?)
(冗談グッズの一つなのか?)
三分の一ほど食べた辺りで、もう食べたくなくなってきた。
だが、途中放棄は癪である。
私は味覚的忍耐力を駆使して、食べ続けた。
(はちみつやジャムを塗れば食べやすくなるかも?)
否否、そんなことをしたら、この煎餅に降参したことになる。
私は苦闘の末、やっとのことで食べ終わった。
あぁ~記憶に残る味だった。
高そうな唐辛子を使っているとは感じた。
おいいしいか、そうでないかの返答はしかねる(笑)
辛さにただただ圧倒される煎餅である。
自分では決して買わないが、お土産等で貰ったら、再度挑戦したいと思っている。