○○電力の漏電検査の人が来た。
厳密には○○電力から委託された別会社であるが,同じグループ会社である。
検査に来ることは約一ヶ月前からハガキで通知されていた。
実は先週の金曜日の午後にお隣のNさん宅に検査が行われた。
(それなら次は我が家だ)と思って待ち構えていたが、何故かその日には来なかった。
時間切れだったのか、それとも最初からそういう予定だったのか?
肩透かしにあったような感じだったが、それもすぐに忘れてしまった。
そして今日の10時25分、検査の人が来た。
先に外部のメーターを確認し、次に屋内に入りブレーカーの検査をするとのことだったが、先に屋内の検査をしてもらうことにした。
再度呼ばれるのが面倒だからである。
「では、規則で」と言いながら係員はマスクを装着した。
マスクしなくても良いですよ、と私は声をかけた。
「いえ、きまりですので」
そうなんですか、私は全然気になりませんけれどね。
訪問する中でいろいろうるさく言う人とかいます?
「います、います」
係員の声は急に熱を帯びた。
「一歩でも家の中に入ってくれては困る、とか言われたり。結構おられます」
そうなんですか。
私はもし感染ったら、〇〇電力が付いているから文句が言えるし、良いと思うんだけれど、と軽口を叩いた。
「ハハハ、そうですね」
係員は笑って答えた。
緊張していた様子が一気に解れたようだった。
場のムードがゆるい感じになった。
検査は屋外、屋内合わせて10分未満だった。
係員は検査済みの紙と電気の使い方の小冊子を私に手渡した。
元気にある挨拶の後、係員は我が家を後にした。
そうかぁ。
いろいろ細かく文句を言う人がいるんだなぁ。
まぁ、今は特殊な状況ではあるしなぁ。
文句を言う人の気持ちもわからないではないけれど。
だが、私は対コロナに対して鷹揚である。
自分が罹患したら変わるかもしれないが、それまではこの感じを保っていこうと考えている。
コロナウィルスごときでギスギスしたくない。
それはコロナウィルスに対する敗北を意味する。
ゆるく行こうと思う。
これは断固とした決意である。