プリントを渡しておくので記入をお願いします。来週回収
にまた来ます、とのことだった。
本題はこれだけである。
班長さんは、付け加えるようにこう言った。
「それでですね、回覧板が無くなっちゃいましてね」
あぁ、Nさんから聞いていますよ。戻ってこないんでしょ?
「それが無くなったのは回覧板2枚なんです」
2枚!
なんだそれぇ~!
私は驚き呆れた。
一枚なら家の何処かに紛れ込んでしまって、ということも
無いとは言えない。
だが、それが2枚となると尋常ではない。
「無くなったのは、大した用事じゃない時のものばかりな
んです」
市の広報誌が入っていたり、重要なお知らせが入ってい
る時のものは、普通に回っているそうだ。
「お宅が留守で戸外に置いておいたのを盗まれたのかも」
それはないな。
回覧板を盗んでも何の得にもならない。
ご家族が入院されている高齢者のお宅があるでしょ?
回覧板どころじゃない、というほど家の中が混乱している
んだと思うけどね。
私は実名を出さずに示唆した。
「あぁ~」
班長さんにも心当たりがあるようだ。
名前を出すと後々面倒なことになる。
しかし、ほぼ推測されるのに黙っているのは非効率である。
そこで私は自分の推理を披露したのだった。
さて、この件の結末はどうなるのだろうか?
穏便に終わるのか。
あっけにとられる状況になっていくのか。
現在進行中である。
事態が判明し次第、また当ブログに記すこととする。
~続く~