見てすぐわかるアルコール依存症である。
だが、その人は「自分は依存症ではない」と言い切る。
どうやら当人は本気でそう思っていたようだ。
他の依存症の人について「自分はあんなぶざまではな
い」とも言った。
当人に自覚症状が無いのだ。
あるいは気づいていても認めたくはないのかもしれない。
さて、Nさんはどうか?
Nさんは自分で「俺は依存症だよ」と明言している。
本当に依存症だったら、こうは言わないのではなかろう
か?
”依存症並に飲んでいる”ということを自嘲を込めて言っ
ているのではないか。
Nさんは数年前にも所属する町内会の会長を務めている。
その前後の年度にも町内会の役員の常連として尽力した。
気安い人柄で堅実な仕事ぶりの人なので、周囲も役職を
頼みやすいのであろう。
町内会の役職をやっていれば依存症ではないと言うつも
りはない。
いろいろと面倒くさい人間関係で溢れている町内会におい
て、出来るだけ波風立てず、時に毅然と仕切り運営していく
には、依存症の人では無理である。
もちろん朝から飲んでいると言うこともないようだ。
それではひとまず安心ということで良いのだろうか?
どうなのだろう?
~続く~