”大人になると賢くなる”
歳を取れば、自動的に賢くなる、と考えていた。
日々、様々な経験を積み、大なり小なり学んでいけば頭は
良くなるであろう、そう思っていた。
私はそう信じていた。
さて、実際はどうなったか?
自分のことを見ると、そうはならなかった。
賢くなっていない。
愚かなままである。
子供の頃より種々の出来事に対する対応力は、それなり
に身についたと思う。
それは経験に対する反射でしか無い。
損失を最小限にとどめ、出来ることなら益を残したい。
ただの損得勘定に基づいた行動が取れる様になっただけ
である。
賢くはなっていないのだ。
目端が少しだけ利く様になっただけである。
あぁ、何と言うことか。
子供の頃の考えは幼稚である。
あまりに楽観的である。
これから自分の愚かさと付き合っていかなければならない
のか。
うんざりだが、仕方ない。
これも人生、これが人生なのであろう。