通りには渋滞中のクルマが並んでいる。
私は迷わず右を選んだ。
その寺院の熱心なもしくは真面目な信者であれば、初詣
は迷わずそこに行くだろう。
だが、私はそうでもない。
不真面目ではないが、熱意に欠けるのだ。
その寺院への参拝は春になったらで良かろう。
私は氏神様に寄ってから帰宅することにした。
途中徒歩での有名寺院へ向かう家族連れに何度もすれ
違う。
少し自転車を走らせて氏神様に到着である。
鳥居の前には立派な門松が飾ってある。
参道の両脇には、幟が立っている。
ということは、これを大晦日に立てたのか。
そして三が日が終わると撤収するということである。
大変である。
拝殿にはなにかいろいろと飾りが付けられている。
お正月だけの装飾である。
私は拝礼し祈念した。
私はこの氏神様においても良い信者ではない。
やはり不真面目ではないが熱意に欠けるのだ。
氏神様だから参拝するが、そうでなかったら来ないかもしれ
ない。
それでも、やはりこうした節目の時には参拝する。
ただ、それだけで気分が変わる。
リフレッシュされた気になる。
これはご利益であろう。
だが、もっとご利益がほしいなぁ、とも思ってしまう。
「真面目にやれ!」という声がかかりそうである。
すみません。
気を引き締めたいと思う。
境内を出ると家族連れと入れ違いになった。
この氏神様は意外と人気があるようだ。
私は晴天の下、家へと自転車を走らせた。