オランダ式洗濯と言っても特別なことをするわけではな
い。
欧州のオランダは海抜が低く水に恵まれない国である。
そのため洗濯は週に一回しか行わない。
一方、わが家は一人暮らしで洗濯物が少ないので、や
はり洗濯は週に一回だけである。
それで、私は我が家の洗濯をオランダ式洗濯と呼んで
いる。
さて、今日は外干しができるだろうか？
ここ何週も部屋干しばかりである。
梅雨時なので仕方ない。
私は空を見上げる。
灰色の雲が広がってはいるが、すぐに降るという感じで
もない。
何とか干せるかな？
私は外干しを決断し洗濯物を持って外へ出た。
お隣のNさん宅も外に干している。
まぁ、Nさん宅はかなり際どい天候の日でも外干しである。
１１時過ぎには、青空も見えてきた。
雨雲が無くなりつつあった。
これなら洗濯物を取り込む３時過ぎまでは降ることはない
な。
私はそう思い込んでいた。
１２時半、急に空が暗くなった。
普通だったら（これは降るかも？）と思うところである。
だが、何故かこの時は
警戒心が無くなっていた。
ポツ、ポツと音が聞こえてきた。
まさか！
私は急いで外へ出た。
降っている！
慌てて洗濯物を取り込む。
同時に大声でNさん宅へ声を掛ける。
雨足は急速に強くなる。
Nさん宅が出てきた。
「ありがとうね！」
Nさんは夫婦で取り込みを開始した。
私は洗濯物を抱えて家に入る。
それほど濡れてはいないが、やはり部屋干ししておこう。
あぁ、梅雨時の空を甘く見てはいけないな。
雨はその後も降り続いたが、２時過ぎは上がりまた青空
が出てきた。
長めのにわか雨だった。
雨上がりの風は涼しかった。
