貫禄がありつつ優しさも感じさせる。
いつもにこやかで物腰も柔らかである。
気軽に話しかけられる雰囲気を持っておられる。
こういう良い人もおられる一方、そうでもない人もいる。
地域社会はバランスをとって成立しているかのようであ
る。
善人ばかりだと嬉しいが、そうは問屋が卸さない。
浮世の問屋はなかなか厳しいのだ。
さて慰労会は静かな様子で始まった。
これは出席者の気質によるものと思われる。
今回のようにおとなしい感じではなく、騒がしく盛り上が
る年度もある。
出席者の顔ぶれにより慰労会のムードは変わってくる。
これは出席者の多数を占める執行役員がどのような人
たちかによる。
町内会の執行役員の人選は会長ら町内三役に一任さ
れており、その人選がこうした宴席にも反映される。
今年の執行役員は騒がない穏やかな人ばかりようだ。
そんな中で、SHさんは大きい声で話し始めた。
SHさんとは「新入りのくせに」「養子のくせに」と言われ
た方である。
~続く~