不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

町内会の会長選挙。

 1月2日は、当町内会の会長選挙の日である。
 投票所は集会所で午前9時から正午まで行われる。
  この日程は昔からで「正月2日は選挙の日」ということは、
当町内における皆の共通認識となっている。
 投票時間には集会所に役員がほぼ総出で詰めている。
 と言っても投票の様子を厳しく監視するというわけではな
く、その空気はかなりゆるい。
 酒こそ飲まないが、お茶を飲んで雑談をしている。
 投票者が来ると口頭で案内して投票を見守る。
 年末に投票券は各戸に配布済みである。
 この選挙は極めてローカルルールに基づいている。
 候補者は一人が本命で、他の候補者は一種のダミーであ
る。
 本命の候補者は事前に会長や役員から「来年度の会長を
お願いします」と口説き落とされ、了承した人である。
 一般の選挙では、立候補者が一人だけの場合、対立候補
不在で無投票当選となる。
 選挙が行われない。
 当町内会では無投票当選は避けたい。
 形だけでも選挙を行う。
 そのために本命意外のダミーの立候補者を1~2名擁立す
る。
 このダミーの候補者擁立も容易ではない。
 会長や役員が「名前だけ貸して」と頼み込む。
 そうして、本命とダミーの候補者が揃えられ選挙となる。
 選挙を行わないと「内々で勝手に決めて押し付け合う」とい
う慣習になってしまう。
 ナァナァの空気の中で感情的対立が生まれ、争いが起こっ
てしまう。
 過去にそうしたことがあったのだろう。
 選挙を行うという事務的にも面倒な形を取ることにより、町
内会運営における公正さを維持しようとしているのだ。
 さて、私は投票に行ったかというと、すっかり忘れてしまい
棄権してしまった。