不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

区長選挙の仕組み。

  昨日の当ブログ記事にある当町内会における区長選
挙について、その慣習について記すことにする。
 当町内会における区長とは、組織のトップである。
 町内会長とは言わず、区長と称する。
 新年1月2日に行われる選挙において改選される。
 任期は1年で、同一人物が2年以上連続して区長を務
めるということはない。
 これは複数年の任命を禁じているわけではない。
 皆さん、区長をやりたくはないのだ。
 そのため1年交代となっている。
 地域活動に意欲があり区長をやる気が豊富な方もおら
れるが、そうした存在は極めてまれである。
 そうした熱意ある人は、区長の他にいくつもある町内会
の役を務めてもらうことになる。
 区長のなり手は、いつも枯渇しているのだ。
 例年、年度末が近づくと来年度の区長の候補者を、町
内会の役員たちで相談する。
 そして、内々に折衝し候補者擁立の承諾を得るという流
れとなる。
 それでは、選挙にその候補者だけ出馬してもらえば話は
済みそうだ。
 もともとなり手のいない区長である。
 対抗馬が出ることは、まずない。
 そうなると、区長選挙は常に無投票当選となり、それが慣
例となりかねない。
 そうした事態は、避けたい。
 選挙で選ばれた区長さん、という体裁は保ちたい。
 そこで、対立候補を無理やり擁立することになる。
 こちらの候補者も町内会の役員が内々にお願いする。
 「絶対選ばれませんから、名前だけ貸して」
 一種の名義貸しである。
 その人は、渋々承諾する。
 そして、選挙が行われる。
 候補者の顔ぶれを見れば、どちらが本命なのかは、住民
ならすぐにわかる。
 そこを読み取って投票する。
 この選挙の一連の流れは伝統となっている。
 厳密に言えば「おかしい!」という点も多々ある。
 「やらせ」に近い。
 それは承知の上である。
 だが、安定した町内会運営を進めるにはこうした方法も
必要なのであろう。
 人の世は、まっすぐ通った筋道ばかりではない。
 大目に見なければならない場面も多いのだ。
 町内会は、難しい。