不二家憩希のブログ

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Jガイルズはリーダーとは言えない。

 4月11日に米国のロック・ギタリスト・J・ガイルズ氏が亡く
なった。(以下敬称略)
 享年71歳だった。
 この人はJ・ガイルズバンドのメンバーである。
 訃報に伴うニュースでは、「Jガイルズバンドのリーダー
の~~」と報じられた。
 えぇ~、そうなのかぁ?
 Jガイルズがあのバンドのリーダーだなんて、初めて聞い
たなぁ。
 Jガイルズ・バンドなので名前を使われているガイルズが
当然リーダーだと思われているようだ。
 だが、このバンドを70年代の頃から知っている者にすれ
ば、違和感がある。
 バンドへのインタビューではヴォーカリストのピーター・ウ
ルフが次のように語っている。
「Jガイルズはバンドのリーダーじゃないぜ。では何故彼の
名前が付いたバンド名になっているかって?『Jガイルズ』
って名前の響きがカッコいいからバンド名にしただけさ。Jガ
イルズはりーだーでもなんでもない」
 この説明は長年常に一貫しており、異なる媒体でも同じ
内容が語られていた。
 カッコいい名前だからバンド名に採用した、という話はロッ
クの面白話としてよく知られていた。
 実際バンドの実権は曲を書きフロントマン・スポークスマン
であるウルフとキーボードでアレンジャーのセス・ジャストマ
ンが握っていた。
 ウルフとジャストマンがリーダーであることは一目瞭然だ
った。
 音楽雑誌でのインタビューでもインタビューされるのは殆
どがウルフだった。
 Jガイルズのインタビューは一度も見たことも無いし読ん
だことも無い。
 ガイルズは地味な目立たないギタリストでリーダーシップ
をとるような人物にも見えなかった。
 訃報にもこれといったエピソードもひとつも紹介されなか
った。
 語り継がれる、記憶に残るエピソードは無いからであろう。
 ガイルズはバンドに名前が使われているだけの存在だっ
たのだ。